概要

ミラノ公ルドヴィーコ・スフォルツァの依頼により、レオナルドはサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ修道院の食堂にこの壁画を描いた。選んだのは、イエスが十二使徒に「この中の一人が私を裏切る」と告げた瞬間である。

特徴

中央の静かなイエスを挟み、使徒たちは3人ずつの群れとなって動揺し、画面の遠近法はイエスの頭部に収束する。レオナルドは本来のフレスコではなく乾いた壁にテンペラ系の技法で描いたため、推敲を重ねる制作は可能になったが、絵の劣化は避けられなくなった。

歴史と影響

絵は数十年のうちに傷み始め、幾度もの拙い修復と、食堂の屋根を吹き飛ばした1943年の爆撃をくぐり抜けた。1999年に完了した21年がかりの修復で後世の加筆が除去され、現在は少人数の時間予約制で公開されている。