人物
アリストパネス(前446年頃〜前386年頃)は、アテナイの古喜劇を代表する作家である。約40篇の作品のうち11篇が現存し、完全な形で伝わる古喜劇はこれらだけである。
何をしたか
その政治風刺は権力者にも容赦しなかった。『騎士』(前424年)では、国政を主導していたデマゴーグのクレオンを舞台上で名指しで攻撃した——アテナイ喜劇の言論の自由度を示す著しい事実である。ペロポネソス戦争を通じて『アカルナイの人々』『平和』『女の平和』(前411年)と反戦喜劇を書き続け、戦争を終わらせるための女性たちのストライキを描く『女の平和』の筋立ては最も有名である。『雲』(前423年)はソクラテスをソフィストとして戯画化し、プラトンの『ソクラテスの弁明』はこの戯画を、ソクラテスを死に追いやった古くからの中傷の一つに数えている。『蛙』(前405年)では、ディオニュソスが冥界でアイスキュロスとエウリピデスを裁く——文芸批評としての喜劇である。
後世への影響
後期の『女の議会』『福の神』には、古喜劇が風俗喜劇へと穏やかになっていく変化がうかがえる。彼の作品は、政治家・哲学者・詩人・戦争を笑いの的にした民主政アテナイの自画像への窓であり、以後の風刺喜劇の礎となった。