概要

民主政、哲学、演劇、歴史叙述、オリンピックといった西洋世界の土台の多くはギリシアに源流をもち、そのためギリシアはしばしば西洋文明の源泉と呼ばれる。もっともギリシア自身の歴史は古典古代だけにとどまるものではなく、はるかに長く現代まで続いている。

主な時代

歴史は前2千年紀、クレタ島のミノア文明と本土のミケーネ文明という青銅器時代の宮殿文明に始まり、暗黒時代を挟んでアルカイック期にポリス(都市国家)が再生し、地中海各地への植民、アルファベットの採用、ホメロスの叙事詩が生まれた。前5〜前4世紀の古典期には、ペルシア戦争で本土への侵攻を退け、ペリクレス指導下のアテネで民主政とパルテノン神殿、悲劇と哲学が花開いたが、アテネとスパルタのペロポネソス戦争ののち、フィリッポス2世とアレクサンドロス大王のマケドニアが台頭し、その征服はギリシア文化をアジアへと広めた(ヘレニズム時代)。前146年にローマはギリシアを征服したものの、詩人ホラティウスが詠んだように、捕らわれたギリシアがかえって粗野な征服者を虜にし、その後ギリシアは、言語も教会もギリシア的であった東ローマ(ビザンツ)世界の中で11世紀にわたる歳月を過ごした。1453年から1821年までの約4世紀に及ぶオスマン支配は、独立戦争(1821〜1829年)によって終わった。近代ギリシアは小さな王国から領土を広げ、小アジアの破局と住民交換(1923年)、1940年代の占領と内戦、軍事政権(1967〜1974年)を経て、1981年にEUに加盟し、今日の共和国へと至っている。