概要
ラオコーン像は、トロイアの木馬伝説で語られる罰として、神官ラオコーンと息子たちが2匹の海蛇に巻き付かれる姿を表した記念碑的な大理石群像である。ローマの著述家大プリニウスはこれをロドス島の彫刻家アゲサンドロス、アテノドロス、ポリュドロスの作と讃えた。ヘレニズム期の原作か、ローマ帝政初期の作かという年代論争は今も続いており、およそ前200年から前30年の間とされる。
特徴
身をよじる3人の人物と海蛇が、ひとつのピラミッド状の闘争の構図に束ねられている。ラオコーンの緊張した胴体と苦悶の表情はヘレニズム・バロック様式の情念表現の頂点を示し、群像は生命を与えられた浮彫のように正面から見られることを意図して彫られた。
歴史と影響
群像は1506年にローマのエスクイリーノの丘のぶどう畑から出土し、ただちに教皇が取得した。ミケランジェロはこれを熱心に研究し、その影響はルネサンスとバロックの彫刻を貫いて流れている。18世紀にはその抑制された苦悶をめぐるヴィンケルマンとレッシングの論争が近代美術批評の礎となった。現在もヴァチカン美術館の中心的作品である。