概要
ミロのヴィーナスは高さ2メートルあまりの大理石像で、一般に愛の女神アフロディテと同定される。ヘレニズムの伝統のもと前150年頃から前125年頃に制作され、1820年にエーゲ海のミロス島で農夫によって発見された。
特徴
女神は衣が腰から滑り落ちる半裸の姿で、鑑賞者に周囲を巡らせるような螺旋状の姿勢をとる。両腕は発見時にすでに失われており、元の形は今も論争が続く。発見時にはアンティオキアのアレクサンドロスの名を刻んだ台座が記録されたが後に失われたため、この彫刻家への帰属は、現存する証拠ではなく当時の記録に依っている。
歴史と影響
像は発見後まもなくフランスが取得し、1821年にルーヴル美術館へ収められた。19世紀に古典美の理想として喧伝されて美術史上最も複製された図像のひとつとなり、失われた両腕の謎がその名声をいっそう高めた。今日もサモトラケのニケと並び、ルーヴルで最も多くの人が訪れる作品のひとつである。