人物
オウィディウスは前43年、スルモ(現在のスルモーナ)の騎士階級の家に生まれたローマの詩人である。法律家としての教育を受けたが詩を選び、ウェルギリウス、ホラティウスに続く、アウグストゥス時代最後の大詩人となった。
何をしたか
『恋愛詩集(アモーレス)』や、恋愛指南を装った『恋愛術(アルス・アマトリア)』といった機知に富む恋愛詩で名を上げた。代表作『変身物語』は、変身をめぐるギリシャ・ローマの神話およそ250話を全15巻に織り上げている。8年、アウグストゥスは彼を黒海沿岸のトミス(現在のルーマニア)へ追放した。オウィディウス自身は原因を「一篇の詩と一つの過ち」としか述べておらず、真の理由は今も分かっていない。流刑地で哀歌集『悲しみの歌(トリスティア)』を書き、17年頃に同地で没した。
後世への影響
『変身物語』は後世ヨーロッパにおける古典神話の標準的な典拠となり、ダンテ、チョーサー、シェイクスピアに材を与え、ルネサンスとバロックの画家たちに主題の多くを提供した。その追放の身の上は、権力に罰せられた詩人の永続する象徴となった。