何が起きたか
1997年7月2日、タイ中央銀行は、投機的攻撃に対してドルペッグを防衛し外貨準備の多くを使い果たした末、バーツの変動相場制移行に踏み切った。バーツは数か月のうちに対ドルでおよそ半分の価値を失い、危機はインドネシアと韓国が最も深刻な打撃を受けるかたちでアジア全域に波及し、アジア通貨危機となった。タイでは「トムヤムクン危機」と呼ばれる。
背景
一般的な説明によれば、短期のドル建て借入に大きく依存した長年の好況、不動産バブル、1996年の輸出減速、そして金融会社の相次ぐ破綻が、固定された為替相場を圧迫していた。
影響
1997年8月、国際通貨基金(IMF)主導の約172億米ドルの支援パッケージが、緊縮と構造改革を条件として組まれた。1998年には経済が急激に縮小する深刻な不況となり、数十社の金融会社が閉鎖された。チャワリット政権は1997年11月に倒れた。2000年代初頭には回復が定着し、この危機は資本移動とIMFの処方箋をめぐる議論を塗り替えた。