人物
スントーン・プー(1786〜1855年)はタイで最も愛される古典詩人で、しばしば「ラタナコーシンの吟遊詩人」と称される。庶民の生まれながら、ラーマ2世の下で宮廷詩人として頭角を現した。
何をしたか
スントーン・プーはラーマ2世の宮廷文芸サークルとともに共作した。ラーマ3世の代に寵を失い、僧籍と放浪のうちに長い歳月を送ったが、その旅から名高いニラート(紀行詩)が生まれた。代表作『プラ・アパイマニー』は約20年をかけて綴られた壮大な恋愛冒険叙事詩で、人魚や海の鬼、笛を吹く王子が登場し、タイの学童なら誰もが知る物語といわれる。宮廷風の雅語ではなく、民衆の言い回しを交えた平易なタイ語で書いたことが、衰えぬ人気の核心だと広く評されている。晩年には再び寵愛と王室の庇護を得た。
後世への影響
生誕200年にあたる1986年、スントーン・プーはユネスコの顕彰事業で称えられた。タイでは6月26日がスントーン・プーの日と定められている。名高いニラートの舞台であるラヨーンには像と博物館があり、『プラ・アパイマニー』の登場人物たちは文化的アイコンとなっている。サメット島の人魚像もその一つである。