人物

『史記』に基づく伝承では、老子は李耳といい、周王室に仕えた書庫の役人で、孔子が礼について教えを請うたとされる年長の同時代人である。ただし現代の研究では、単一の歴史上の人物としての老子が実在したかどうか自体が議論されている。

何をしたか

約五千字の書『道徳経』の著者とされ、伝承では、西方へ去る途上の函谷関で、関守の尹喜の求めに応じてこれを書き残したという。書物そのものは前4〜前3世紀に成立した可能性が高い。中心思想は、道(タオ)、無為(力ずくではない自然な行い)、そして柔らかく低いものの強さである。

後世への影響

『道徳経』は哲学としての道家思想の根本経典となり、老子はのちに宗教としての道教で神格化された。同書は世界で最も多く翻訳された書物の一つに数えられる。