概要
サモトラケのニケは、ギリシアの勝利の女神ニケの大理石像で、軍船の舳先をかたどった台座の上に高さ約2.4メートルで立つ。前200年頃から前190年頃に制作され、サモトラケ島の「偉大な神々の聖域」に据えられていた。おそらく海戦の勝利を記念したものと考えられている。
特徴
女神は舞い降りた瞬間の姿でとらえられ、翼はなお広がり、海風に押し付けられた衣は深く渦巻くひだをなす。頭部と両腕は失われているが、身体のねじれと舳先という劇的な設定は、ヘレニズム彫刻の最も劇的な達成を示す。1950年に現地で発見された右手が像の傍らに展示されている。
歴史と影響
像は1863年にフランスの外交官シャルル・シャンポワゾーによって発見されてルーヴル美術館へ運ばれ、1884年以来ダリュの大階段の頂を飾っている。どの勝利を記念したのか、どの工房が彫ったのかは——ロドス島説がしばしば唱えられるものの——なお論争が続く。ミロのヴィーナスと並んで同館で最も名高いギリシア作品のひとつであり、その姿は以後の芸術とデザインに反響し続けている。