概要

国家元首はドージェ(元首)で、終身職でありながら、10段階にわたる抽選と投票を交互に繰り返す方式で選ばれた。買収を無意味にするための手続きである。就任後も、書簡を開封する権限をもつ諸評議会に取り囲まれていた。大評議会は1297年に自らの構成員を固定し、以後500年にわたってどの家系が統治できるかを定めた。権力の基盤は土地ではなく交易にあった。国家自身が商船団を編成して船の枠を競売にかけ、最盛期には1日でガレー船1隻を艤装できる造船所アルセナーレを擁していた。

役割

選挙で選ばれるドージェと商人の寡頭政に治められ、ヴェネツィアは地中海と東方の交易の十字路として富み、アドリア海とエーゲ海に植民地を保ち、十字軍で指導的な役割を果たした(第4回十字軍は1204年にコンスタンティノープルの略奪へと転じた)。また芸術・印刷・外交の中心地でもあった。

その後

大西洋交易路とオスマン帝国の拡大に追い越され、ヴェネツィアは衰退し、1797年にナポレオンによってついに消滅させられた。その芸術・建築・制度は今も名高く、都市そのものは文化の象徴として存続している。