人物
ナルメルは前3100年頃に活動した上エジプトの王で、ティニス/ヒエラコンポリスの王統の出身である。上下エジプトの統一者にして第1王朝の初代の王と見なされている。その名はナマズとノミ(鑿)のヒエログリフで書かれる。
何をしたか
ヒエラコンポリス出土のナルメルのパレットは、上下両エジプトの王冠をそれぞれかぶる王の姿を描いている。ほかの史料としてはナルメルの棍棒頭(メイスヘッド)や、エジプト各地から南レヴァントにまで及ぶ銘文・セレクが知られており、広範な交易ないし支配を示すものと考えられている。王はアビュドス(ウンム・エル=カアブ)に葬られた。
後世への影響
ナルメルは王朝時代の王名表の出発点に立つ。後世の王名表に見える伝説的なメネスとしばしば同一視されるが、その同定をめぐってはエジプト学者の間で議論が続いている。ナルメルのパレットは初期エジプトで最も有名な遺物のひとつであり、大型の物語的美術作品としても最古級に数えられる。