概要

エジプトは、ナイル川に沿って興った世界最古級の文明の地である。毎年のナイルの氾濫が農耕を支え、この文明はヒエログリフ(神聖文字)の文字体系と、巨大なピラミッドや神殿を生み出した。今日のエジプト・アラブ共和国は、アフリカとアラブ世界で最も人口の多い国のひとつである。

主な時代

前3100年頃の上下エジプトの統一から、およそ3000年に及ぶファラオの歴史が始まり、慣例的に古王国・中王国・新王国とその間の中間期、続く末期王朝時代に区分される。前332年のアレクサンドロス大王の征服以降は、プトレマイオス朝のギリシア系支配、次いでローマ・ビザンツ支配が約1000年続き、エジプトはローマの穀倉であるとともに、コプト教会に代表されるキリスト教の早期の中心地となった。639〜642年のアラブ征服でイスラーム時代が始まってフスタート、のちにカイロが建設され、ファーティマ朝・アイユーブ朝・マムルーク朝のもとでカイロはイスラーム世界有数の大都市となり、1517年からはオスマン支配が続いた。1805年からのムハンマド・アリーによる国家主導の近代化と1869年のスエズ運河開通を経て、1882年にイギリスがエジプトを占領した。1922年に名目的な独立を得てエジプト王国となり、1952年の革命で共和制へ移行し(ナセル、サダト、ムバラク)、2011年の革命は激動の10年の幕開けとなった。