概要
腰から腿までの丈、広い直線の袖、留具なし。藍木綿に大きな紋を背へ染めるか摺る。中身は紋である。商家は店の印を奉公人の背に置き、火消しは組の番号を、町はその名を置いた。人だかりをひと目で読ませるためである。江戸の火消しは厚く刺し子にした重い法被を着て、火事のあとは裏返し、無地の面を表にして街を歩いた。
着方と特徴
下に何を着ていようとその上から羽織り、左を上に合わせ、開けたままか細い帯で留める。袖が直線なのは腕を通しやすいためで、一息で着られる。どこも身体に合わせていないから、一つの寸法で一団に足りる。祭りではシャツと短パンの上に着ることも多く、神輿を担ぐあいだ裾がはためかないのは帯のおかげである。
歴史
この上着は江戸の奉公の職——丁稚、人足、火消し——のもので、名はよく似た半纏に由来するとされることが多い。職は消えても紋は残った。今は祭りの組、開店の店員、応援団を示し、企業は行事のたびに誂える。江戸の仕事着で今も数多く着られている数少ない一つであり、着る理由は昔と同じ——どの組の者かを示すためである。