概要
353年、王羲之は会稽山陰(現在の紹興)近くの蘭亭に文人たちを集め、春の禊の行事にあわせて雅会を催し、その日に詠まれた詩を集めるための序文をその場で起草した。王羲之は書聖と仰がれ、この序文は中国書道史上最も名高い作品とされている。
特徴
全文は28行324字から成り、行書で書かれた草稿である。その筆致は変化に富むとして歴代の書家に讃えられ、同じ字が二つと同じ形では現れないと伝えられてきた。
歴史と影響
真跡は現存しない。唐の太宗はこの書を深く愛蔵し、伝えられるところでは自らの陵墓に副葬させたという。作品は唐代に作られた精巧な模本によって伝わり、馮承素の筆と伝えられる神龍本が最も名高く、現在は北京の故宮博物院に収められている。