概要
基本はギリシアの衣である。肩で留めるキトンの上に外衣をまとう。プトレマイオス朝独自のものとしているのは、その外衣の扱い方だ。ゆるやかに垂らすのではなく、体の前で引き寄せ、胸の中央で太く結び、端を垂らす。この形はイシスの結び目と呼ばれ、流行以前にまず女神のものであった。
着方と特徴
結んだ外衣はキトンの上に着け、結び目が胸の間の高い位置に来るまで引き締め、房のついた端がその下に垂れる。王族や神像では、まぎれもなくエジプト的な要素と組み合わされる。肩に幾筋も垂れる三分割の長い鬘、そして王妃であれば額に鎌首をもたげる蛇である。布はギリシア、頭はエジプトと読める姿であり、それはこの王朝の統治のかたちそのものであった。
歴史
この衣はプトレマイオス朝の数百年を通じて王妃の像に現れる。王妃はしばしばイシスの姿で表され、そうした像はこの結び目によって見分けられるのが常である。衣は王朝より長く生きた。イシス信仰がローマ世界へ広まると、その女祭司と神像は結んだ外衣を保ち、エジプトがローマの属州となって久しい後も女神の標であり続けた。