概要

首は丸首で右肩で留め、袖は身頃と上端のわずかな縫いでしかつながらないため、脇の開きから腕を抜くことができる。袖口には袖括の紐が通り、絞れば作業に向く。ゆったりと裁って指貫の上に着流し、位のあるものは有文の絹、下のものは無文で、形ではなく色と織りが格を担う。

着方と特徴

下に単を着て腰で結び、指貫は裾の紐で足首を絞る。要は袖である――弓や馬なら袖括で引き上げて括り、座るときは下ろして広げる。袖が軽く付いているだけなので、袍全体が腕ではなく肩の動きに従う。着心地の良さも、急いでいないように見えることも、そこから来ている。

歴史

狩衣は平安時代に狩りの衣として現れ、馬上で着る衣として脇が開いていた。その同じ時代のうちに公家の平常装束へ昇格する――衣服にはよくあるが、宮廷装束では珍しい出世である。鎌倉期には武家の間で直垂に取って代わられた。それでも残ったのは、神道の装束が中世の形を固定したからで、今日では神職の常装である。