概要
革か毛皮の蓋付きの袋で、腰骨に載る鎖のベルトから吊るため、袋はバックルより手のひら一つ分下に落ちる。格は三つに分かれる――無地の革の昼用、前が毛皮で背が革の準礼装用、そして長い馬毛や毛皮に銀の飾り縁を付けた礼装用である。金具にはクラン章や薊が多い。
着方と特徴
前の中央に垂らし、腰を下ろすときは横へ寄せる。誰もが遅れて覚える、唯一の実用的な作法である。昼は革、夜は毛の長いものを用い、タータンではなく装い全体に合わせる。よく言われる冗談に反して、鎖の長さが正しければ歩いても揺れない――揺れるスポーランは寸法の合っていないスポーランである。
歴史
高地の男たちはキルトが制度化されるずっと前から帯に財布を下げていた。スポーランが高地装束の定まった一部になるのは十八世紀、腰帯付きの大判プレードが小キルトに替わった時期である。一七四六年の服装禁止令が高地装束を禁じ、一七八二年の撤廃はこれを日常着ではなく儀礼の装いとして戻した。飾りの多い礼装用スポーランが現れるのはそのときで、現代の装束はどの部分もこの復興に遡る。