概要

初期イスラーム期は、アムル・イブン・アル=アースによる征服(639〜642年)から、マムルークが政権を奪う1250年までの時代である。征服直後の641/642年には軍営都市フスタートが建設され、そこに建てられたアムル・モスクは、アフリカ最初のモスクとしばしば呼ばれる。エジプトは正統カリフ、ウマイヤ朝、アッバース朝の各カリフ政権のもとで順次統治された。

主な動き

やがて自立的な地方王朝が現れた。トゥールーン朝(868〜905年。カイロのイブン・トゥールーン・モスクが現存する)、次いでイフシード朝である。969年には、北アフリカ出身のシーア派(イスマーイール派)カリフ政権であるファーティマ朝がエジプトを征服し、新都カイロ(アル=カーヒラ)を建設、970年にアズハル・モスクを創建した。ファーティマ朝期のエジプトは、紅海と地中海を結ぶ交易で繁栄した。この数世紀の間に住民のアラブ化・イスラーム化は徐々に進んだが、コプト派キリスト教徒は依然として大きな共同体であり続けた。

終わりと移行

1171年、サラディンがファーティマ朝のカリフ制を廃してスンナ派を復権させ、アイユーブ朝を開き、カイロの城塞(シタデル)の建設を始めた。アイユーブ朝は十字軍によるエジプト攻撃を撃退した。1250年、奴隷身分出身の軍人マムルークがアイユーブ朝を倒し、この時代は幕を閉じた。